実は私は小さいころ、小児麻痺で歩けませんでした。小学生のころはそのハンデをいいことに、言い訳して人に頼ることばかりを考えていました。ところが、4年生になって好きな女の子ができたとき、その子から得られるのは同情だけだということに気づいたんです。体がきかないうえに、心まで傷つきましてね。初めて真剣に体を治そうと思いました。「よし、3年計画で治そう」。口から心臓が飛び出すくらい痛いマッサージも、好きな子のことを考えて歯を食いしばりました。治すために何でもしようとがんばったんです。そんな生活が成長著しい中学時代と重なったからか、治り出してからは早かったです。中学3年生のときにはふつうに歩けるようになりました。
- 木村皓一 -
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