「……やぶ蚊だって、マラリア蚊だって、みんな、みんな、生きているんだ、友だちなんだ!」出家したてのころ、森の中で何十匹もの大ぶりの蚊に刺されながら坐禅を組み、その猛烈な痒みに耐えるとき、私がよく心の中で口ずさんでいた歌がこれ、「手のひらを太陽に」の替え歌だった。この歌を口ずさむと、生きるために必死になって血を吸っている蚊の姿がなんだか愛おしく見えてきて、不思議に痒みが軽減していった。穏やかでやさしい気持ちがふつふつと胸に湧き上がってくるのを感じ、私の心はみるみるうちに満たされていくのだった。
- プラユキ・ナラテボー -
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