私も運ぶ荷物を選り好みして失敗した経験があります。当時、取締役営業部長だった私は、運ぶべき荷物が集まらないのに弱り、大口の契約を取ることを最優先しました。一方、手間がかかり、コストが割高になると思われた小口の貨物を断るよう現場を指導したのです。結果的に売上高はそこそこ伸びましたが、利益率が低下してしまった。トラックの運賃は、重量が重くなるほど、輸送距離が長くなるほど割安になる方式です。当然、大口貨物の長距離輸送が増えれば、全体の利幅は薄くなってしまう。その事実に気付いたことがのちの宅急便につながります。

- 小倉昌男 -

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