表彰制度を導入するときに気をつけなければいけないのは、受賞者を選ぶ方法である。ここでは単純な営業成績トップといった賞ではなく、それぞれの会社が独自に設ける賞のこととお考えいただきたい。仮に受賞者を、社長や幹部が密室の中で決めたとしよう。そういう方法で選んでしまうと、必ずといっていいほど不信や不満を抱く人間が出てくるものだ。「あいつは社長のお気に入りだから表彰された」とか「あいつがもらえるのに、自分がもらえないのはおかしい」などと社員から思われた瞬間に、賞そのものの値打ちが損なわれてしまいかねない。こうした事態を避ける方法として、「ポイント制」を用いるのもいいだろう。売上をこれだけ上げたら何ポイント、お客様から感謝の声が届いたら何ポイント、どこかで何かを発表したら何ポイントといった具合に、ポイントの割り当てを決めておくのである。そうして一定以上のポイントを獲得した従業員を表彰するというルールがあれば、不満が出ることはまずないだろう。

- 太田肇 -

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