弊社では優秀な社員を将来の経営幹部として育てるために、たとえばイタリアに海外駐在させます。現地には日本人は本人一人だけであとはすべて現地のイタリア人スタッフです。店舗では、現地スタッフが気を使って、わかりやすいイタリア語をゆっくりと話してくれるので何とか仕事ができますが、休日の食事会になるとそうはいきません。気候風士から文化芸術まで幅広い話題について、彼らの早口なイタリア語にくらいついていかなくてはならないのです。仮にそれが嫌で現地に溶け込むことを諦めてしまい、日本本社の指示だけを仰ぐ仕事をすれば、スタッフの気持ちは離れ、責任者として成果を出すことは難しいでしょう。当事者意識を高めて事に当たり、結果を出すまで頑張り切る責任者としての背中を部下に見せる大切さは万国共通です。そうした修羅場を経験した社員は、ほとんど当事者意識の塊のようになって帰国してきます。
- 松井忠三 -
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