現在使われている日本語の貯蓄という文字は「貯」が囲に入れてしまっておく、「畜」が覆いをして貯めておくということで、単に貯めるとか蓄えとかを意味するだけです。英語ではsavingsが貯金ですが、これはラテン語のsalveから出て「救う・倹約・省く」ことを意味します。ギリシャ語、ラテン語では「家庭を司る、家計を切り盛りする」すなわち家政という意味のオイコノミア、エコノミアという言葉が一番貯蓄に近い言葉です。救う、助ける、無駄を省くという意味を持つ行為なら堂々と実行できるはずです。日本の貯蓄の意味は甚だ単純で、語感もずいぶん違っています。外国語のような幅広い意味内容を持たないため、日本人がとかく貯蓄を軽んじたり、嫌がったりするのではないだろうかと思います。
- 岡崎嘉平太 -
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