1980年代前半の海運不況で船舶のリース事業が大打撃を受けたことがあります。リース料が回収できずに不良債権化し、ほかの金融機関が船を売却処分していく中で、私は「売るな、自分で船を動かせ」と指示しました。同時に、今で言う減損処理にも踏み切っています。海運市況は不動産と比べて好不況のサイクルが短いので、数年我慢すれば再び戻る。その間は所有しながら船の運航管理のノウハウを蓄積し、市況が戻った時に船を売却すればいいと思ったのです。減損処理をした以上、後はアップサイドしかありませんから。一般的には、思い切って損切りして終わりにするのでしょう。ただ、それだけでは後に何のノウハウも残らない。簡単に諦めてはいけません。
- 宮内義彦 -
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