「人はその長所のみとらば可なり。短所を知るを要せず」この荻生徂徠(おぎゅう・そらい)の言葉は誠に感銘深い。完全な人は存在しない。どんな人にも長所短所が必ずある。そこに人生の妙味があるはずである。ところが、人が人を見る場合、とかく長所は見たがらず、短所を見たがる。飲み屋でのサラリーマンの会話を聞いていると、そのことがよくわかる。職場でも短所をあげつらう減点主義が横行している。こんなマイナス評価は、人の心を腐食するばかりだ。短所を知るを要せず。
- 土光敏夫 -
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