考えてみると、世の中の出来事はすべて儚いものであって、夢の中でさらに夢みているようなものだ。昨日見た人も今日はあの世へ旅立ってしまったり、今日ある人も明日の命がおぼつかなく思われ、息するたびに人の寿命は縮まって行く。朝でた太陽も夕べには山の彼方へと沈んで行き、夕暮れより浮かぶ月の影(月の光)も明方よりは薄れて消え、咲き誇って見える花もやがて吹く風を待っては散って行く。そんなことから考えてみて、姿あるものが滅び行くのは、人間のみならず、万物に共通したところだろう。
- 北条重時 -
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