所領の田畑の事について、みすぼらしい身なりをして、恥じらいながら、ご相談がしたいといって、やって来る者がいるならば、家に上げてやるがよい。それが、たとえ卑しい身分の者であっても、侮ったものの言い方をしてはならない。やって来る人の位や身分によって、もてなしは違ってもよいが、ことに百姓の者がやって来た場合は、できれば酒を振る舞ってやるといいだろう。そのようにしてやると、同じ公の事であっても、喜び勇んで注進にもやって来るのだ。また百姓の下男でも、卑しみ侮ってはならぬと、家の者たちにいいつけておくとよいだろう。
- 北条重時 -
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