乱れ遊ぶとき、平常おとなしい人が気分をゆるして自由な振る舞いをするからといって、一緒になって狂いまわるのは、浅はかなことだ。よく心得て、そんなことのないようにしなければいけない。鵜の真似をする烏は溺れ死ぬ。むやみに人真似をすることは厳に慎むべきだ。狂い遊ぶことがあって、どんなに酒に酔っていても、自分よりおとなしい人がいる前では、着物の乱れにも注意して直すようにしなさい。どんなに騒がしく振る舞っても、精神だけはしっかりと保って、落度のないよう注意することが大切だ。

- 北条重時 -

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