建築家の仕事って、かけだしの頃に両親や親戚の家からはじまることが多いんですよ。簡単に言うと、身内から犠牲者を出す。それから業績を重ねて仕事の規模を大きくしていき、公共建築をやるようになり、最後には国家的なプロジェクトまで手がけるようになれば、建築家すごろくはめでたく「あがり」になる。ほら、たとえば丹下健三さんみたいになるわけね。だけど、僕はハナから「あがり」を目指さず、住宅と家具デザインだけをやろうと思っていました。何回も何回も「ふりだし」に戻る道を選んだことになるんです。
- 中村好文 -
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