商品開発には、上質さを追求する方向性と、値段の安さなど、手軽さを追求する方向性があります。上質さと手軽さはトレードオフの関係に見えます。トレードオフというと「二者択一」と訳され、どちらか一方をとり、もう一方は切り捨てるというとらえ方が多いようですが、これは正しい理解ではありません。上質さか、手軽さかのトレードオフの場合、上質さなら上質一辺倒ではなく、そのなかにどれだけ手軽さをちりばめるか、逆に手軽さなら手軽さ一辺倒ではなく、どれだけ上質さをちりばめるか、そこに価値が生まれます。ポイントは上質さと手軽さという二つの座標軸で考え、手つかずの「空白地帯」を見つけることです。すると、どこにもない商品が生まれます。

- 鈴木敏文 -

鈴木敏文のその他の名言・格言(全182件)

サブコンテンツ