私も社長就任当初は、役員たちから随分と抵抗されました。皆、自分を役員に任命してくれた前任の社長にシンパシーを感じており、規定路線の変更を快く思いません。当時、役員は13人もおり、役員会で私は孤立無援でした。多勢に無勢で、さすがに自分の好き勝手にはできません。そこで独裁体制を確立するために、役員の人数を半減することにしました。敵が減れば勝てると思ったのです。「だいぶお疲れのようだから、しばらくちよっと休んでいてくれ」と言って、適当なポストを与え、一人ひとり「引き込み線」に入れます。クビにはしません。そして理屈にならない理屈を並べて、少しずつ権限を外していきます。一度にやったら、また総掛かりで袋叩きに遭ってしまうので、「徐々に」が肝心です。役員が半減したことによって、思い通りの経営がしやすくなりました。

- 鈴木喬 -

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