「楽をして、ぐうたらに生きる」が私の座右の銘で、60歳を超えてから何度も南洋の村に永住しようと本気で考えた。だがその都度、妻子の猛反対にあって断念した。世俗の仕事に追いまくられ、「人生思い通りには運ばない」とボヤいていたが、このごろは生涯現役も悪くはないのかなあという心境になってきた。どうやら、勤勉な妖怪が私に乗り移っているらしく、死ぬまで忙しそうだ。
- 水木しげる -
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