僕は高校を卒業後、パイロットに憧れて航空大学に入り日本航空に入社しました。パイロットの仕事を心から誇りに思い、「自分の一生の仕事」と決めておりましたので、パイロットを辞めて運行部長にならないかとオファーをいただいたときは「役員をお受けするか、会社を辞めてパイロットを続けるか」で三日間悩みました。当時の日本航空は破綻直後で、法的整理によるイメージ悪化などにより二次破綻必至と盛んに騒がれていたときでした。先がまったく見えず社員全員が苦しんでいるのに、「パイロットを続けたい」という己の都合だけで会社を去るのは卑怯な気がして、「操縦桿を置こう。会社を二度と破綻させないこと、それが次の人生の目標にしよう」と決意し、運航本部長を引き受けました。

- 植木義晴 -

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