突然の社長拝命でした。だから、キヤノンを、どのような会社にしようかと年末まで一生懸命、それこそ命懸けで考え続けました。脳裏に浮かんだのが、若い時に米国で見ていた一流企業の姿でした。経理を担当していた私は、勉強のためデュポンやP&G、IBMなどの財務諸表を取り寄せて経営を分析したのですが、米国で本当に一流の企業は分厚い自己資本を持ち、潤沢な手元資金で開発投資をして新しいものを生んでいました。当時、キヤノンはもちろん、日本の企業は、本当に借金経営。全くの別物でした。あの驚きと憧れはいまでも記憶に残って売います。よし、こうした一流企業肯を目標にしよう、と強く思いました。これが社長としての原点です。
- 御手洗冨士夫 -
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