のどかな春の日を鳴き尽くし、鳴きあかし、また鳴き暮らさなければ気が済まんと見える。

その上どこまでも登って行く、いつまでも登って行く。

雲雀はきっと雲の中で死ぬに相違ない。

登り詰めた揚句は、流れて雲に入って、漂うているうちに形は消えてなくなって、ただ声だけが空の裡に残るのかもしれない。

- 夏目漱石 -

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