友人の山本幸男と2人で事業をスタートした。山本は十日町高校の同窓で、浪人して2年遅れていた。山本は文系で私は理系。私はせっかちだが、彼はのんびり屋。商売も、私はフローで回転が速いほうが好き、彼はストックの堅実派。着ている服は、私は全部紺で、彼は全部茶色。彼は酒が飲めて、ゴルフが好き、私は酒もゴルフもダメ。彼は歌がうまく、私は音痴。女性の好みも全く違う。しかし、山本も私も事業家の家に育ったせいか、何となく気が合った。仕事を一緒にやっていても、口を開けば逆のことを言う。だが、これが経営のバランスになり、なるほどそういう見方もあったかと気付く。

- 三澤千代治 -

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