オリンピックの体操競技では、EやFという高難度の技がある。新しい技のイノベーションは、誰もできなかった難度を克服した選手によって実現される。しかし、戦略イノベーションは様相が異なる。なぜその戦略がそれまでなかったのか。多くの場合、その理由は難度ではない。既存企業の思い込みが戦略イノベーションを阻んでいることが少なくない。つまり「できなかった」のではなく「思いつかなかった」のだ。だからイノベーションは往々にして、「言われてみれば当たり前」の話になる。
- 楠木建 -
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