職人たちは自分の技術を取り立てて後輩に教えるようなことはなかった。職人は長年の間に自然と仕事のコツをのみこむので、ヤスリひとつ使うにもその腰と手が上手く調和していないと、ぴったりと平らなものに削ることはできないものだ。こんなことは口で言ってもなかなか会得のいかぬもので、みんなが長い年月熟練の結果、それぞれ自得するよりほかはなかった。
- 早川徳次 -
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