私が若いころ故郷に阿賀野九十郎という七十いくつになる老人がいた。朝早くから夜遅くまで商売一途に精を出していた。あるとき孫や曾孫たちが集まり、おじいさんもうそんなにして働かなくてもうちには金も田地もたくさんできたじゃないか。伊香保かどっかへ湯治に行ったらどうですかと勧めた。九十郎老人曰く「俺の働くのは俺の道楽で、俺に働くなというのは道楽をやめろというようなものだ。まったくもって親不孝な奴らだ。金なんて俺の道楽の粕(かす)なんだ。そんなものはどうだっていいじゃないか」と。
- 渋沢栄一 -
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石の上にも三年という。 しかし、三年を一年で習得する努力を怠ってはならない。
すべて世の中のことは、もうこれで満足だという時は、すなわち衰える時である。
