「よそとは違う、良いことをやれ」という人がよくいますが、ある意味で矛盾しています。なぜなら、あからさまに良いことであれば、大抵よそでもやっていて違いになりません。いまは誰もやっていなくても、誰かがその良いことをやってぼろ儲けしていれば、すぐに真似する人が現れます。すると、違いが消えてしまう。これは戦略の宿命的なジレンマです。このジレンマを乗り越えるためには、時間的先行による専有とか、特許をとって模倣の障壁を高くするとか、様々な論理が考えられてきました。しかし、それだったら、最初から誰も真似したがらないようなこと、つまり「一見して非合理な要素」を入れた方が、持続的な競争優位につながるのではないでしょうか。
- 楠木建 -
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