ある時期、いわゆる「落ちこぼれ」の人たちを採用していました。好き好んで採ったのではなく、実を言うと選り好みできなかったからです。しかし、面接して話を聞くうちに、家庭環境に恵まれなかったから校内暴力やシンナー遊びに走ってしまったという、やむにやまれぬ彼らなりの事情が分かってきました。そうなると、不採用にして追い返すことの方がむしろ勇気を要します。情が移るのです。「よう頑張ったな。ようここまでで止まったな。よっしゃ、うちにおいで。採用や」こういって、何人かの元不良少年を受け入れてきました。
- 中井政嗣 -
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