ある日、あなたは世界最大のコンクール(全時代を通じて最大のレース)に、参加することになりました。競争者は4000万人以上です。その数を考えてごらんなさい。勝利するのはひとりです。勝てる確率は、0.0000025%です。チャンスはないと言ってもよいでしょう。あなたには、大敗北者になるためのあらゆる理由があったのです。誰だってそのようなレースに加わることは狂気の沙汰だと思ったでしょう。けれども、あなたは参加しました。そして、勝つだろうと考えていたのです。おそらく、あきらめて、敗北に甘んじる方がよかったでしょう。けれども、あなたは世界最高の意地っ張りでしたし、決意も並大抵ではありませんでした。”あきらめる”という単語は、あなたの遺伝的辞書には、なかったのです。なぜなら、そのレースに負けたら、歴史上最高の賞を取り逃がすことになったからです。どんな賞だと思います?その賞は「生」です。

- アウグスト・クリ -