常々、算盤を習い、算勘を覚えるようにするといいだろう。役人になる身でもないのに、何ゆえかと思われるか知れないが、算数を知らなくては、備え立ての人数の配慮ができない。たとえば、三百坪一段の場所に騎馬の士をどれだけ立てられるかということを、馬の上から一覧した上で、見積もることができないようでは、忙しいときや急用の間に合わないものである。もっとも、軍学や備え立ての心得のある者がお側におりはするが、どんな都合で、それがいないとも限らない。その場合には、間に合わない。だから、御自分で算数を心得ていなくてはならない。
- 徳川光圀(水戸黄門) -
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