こんな実験があります。ある人の写真を2つのグループに見せました。ひとつのグループには「この人はBaker(ベイカー)さんです」、もうひとつのグループには「この人はBaker(パン屋)です」と紹介しました。後によく覚えていたのはパン屋として紹介したグループでした。これは同じ単語でも、固有名詞の意味記憶で覚えるより、パンの匂いや味などの経験と結びつくエピソード起憶で覚えたほうが記憶に入りやすいことを示しています。つまり記憶箱の入り口を広げるには、物事をエピソードとしてとらえて、そのときの感情と一緒に覚えればいいのです。
- 中野信子 -
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